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夏の甲子園、19年ぶりに毎試合抽選復活

夏の甲子園、準決勝前に休養日 選手負担減らす狙い - asahi.com

<中略>...抽選は、原則として第1回大会から76回大会(1994年)まで採用していた「全試合抽選」を復活させる。阪神大震災阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)周辺が被災した95年に、応援団が来場計画を立てやすいようにと、大会前に3回戦までの組み合わせを決め、踏襲してきた。この方式をやめ、組み合わせ抽選会では初戦の対戦だけを決める。

以降は試合ごとに勝ったチームの主将がその場でくじを引き、次の対戦日時を決める。ただし、試合間隔が開きすぎたり、連戦になったりするなどの不公平感が出ないような工夫も採り入れた。...

東西抽選が廃止されたと思ったら今度は全試合抽選が復活。2007年の東西分離抽選の廃止に続き、どうも高野連の懐古主義的意図を感じてしまいます。

今回の全試合抽選で注意すべき点は、「全試合抽選イコール完全な毎試合シャッフルではない」という点です。朝日の記事によると、初戦の組み合わせ決定時点で勝利校の次戦の対戦日が予め指定されていることが分かります。例えば、大会1日目の勝者は大会7日目の2回戦のくじを引くよう予め指定されています。同じく同2、3日目の勝者は同8日目、同4、5日目の勝者は同9日目と指定されており、これを準々決勝まで続けるようです。これが前述の「試合間隔が開きすぎたり、連戦になったりするなどの不公平感が出ないような工夫」に相当するようです。要するに、開幕カードに登場した学校が2回戦の最後に登場したり、2回戦と3回戦が連戦になる学校が発生する可能性はハナから排除しているのです。

さて、これが1994年以前の毎試合抽選ではどうだったのかと言うと、どうやら高野連は試合間隔に敏感ではなかったようです。
一つ例を挙げましょう。1988年の第70回大会。開会式直後に登場した常総学院の初戦(19-1 小浜)は8月8日。ところが2回戦(2-6 浦和市立)は2回戦最終日である大会9日目*1の8月17日、実に9日後です。ここまで試合間隔が開いてしまうとモチベーションを維持するのが一苦労なのではないかと感じてしまうところ。以下に当時の新聞記事を紹介します。

はつらつ勝利 浦和市立(毎日新聞、1988.08.18)
<中略>...三回に3点を追加し一段とリラックスの浦和市立。一回戦終了後、気分転換のために2日間地元に一時帰省したのが奏功した。一方、常総は開幕ゲーム勝利後、神戸の須磨海岸でリフレッシュしたが、二度目の舞台を思う存分、泳ぎきったのは浦和市立だった。(海老名富夫)

ところで、上記の浦和市立のように過去の選手権では大会期間中の選手の一時帰省が認められていました。その後、近隣の代表校が自校で試合前調整ができる点などが不公平感を生んだらしく、現在の規定では禁止されています。

*1:雨天1日順延を含む。